【SEO】Webサイトの競合調査方法を解説!解析指標やフレームワークも
【この記事はこんな方におすすめです】
- Webサイトの競合調査をしたいが、どんな方法で行えばいいのか分からない方
- そもそも競合サイトの特定ができていない方
- Webサイトの競合調査の中で、どの指標に注目して解析したらいいのか悩んでいる方
Webサイトのローンチやリニューアル、日々のPDCAを回す際に、重要になってくるのが競合サイトの調査・分析です。自社がベンチマークしているサイトが、どのようなキーワードで流入を獲得しており、どのようにコンバージョンにつなげているのかを把握することで、自社の施策改善に役立ちます。
また、競合サイトが獲得できていないキーワードや、ボトルネック部分を見つければ、その点に注力することで、競合サイトとアドバンテージを付けることも可能です。
当記事では、Webサイトの競合調査方法やフレームワークを使用した分析方法、競合サイト調査におすすめのツールなどを、分かりやすく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
Webサイトの競合調査とは?
Webサイトの競合調査とは、自社が競合と定めたサイトに対して、サイト構造や流入数・流入経路・流入キーワード、内部対策・外部対策の状況…などを調査することです。
例えば、自社が上位表示を狙いたいと考えているキーワードで、既に上位表示されているサイトは「Googleがそのサイトを上位表示している理由がある」と考えることができます。また、Googleはアルゴリズムのアップデートをほぼ毎年行っています。その中で、安定して上位表示できているサイトなのであれば、そのサイトは「ユーザーに対してしっかりと最適化されているサイト」ということです。
よって、競合サイトとの差分を洗い出しそれを補う施策を講じることで、サイトを効率的に成長させられます。また、リスティング広告を出稿する際においても、似た顧客層でビジネスを行っている競合サイトを分析することで、広告費を極力無駄にしないような施策を打てるようになるでしょう。
Webサイトの競合調査を行う目的
Webサイトの競合調査を行う目的は、主に以下の3点です。
Webサイトの競合調査を行う目的 |
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競合サイトの調査を行うことで、そのサイトがどのようなキーワードで流入しているか、全体のアクセス数にどれくらい貢献しているかが分かります。例えば、お役立ちコラムの投稿内容をチェックするだけで、どのようなキーワード選定軸・どれくらいの投稿頻度なのか、といった戦略が把握できます。あくまで推測の域にはなるものの、それをヒントにして自社のWebサイト運営に役立てることが可能です。
また、使用するツールによっては、ユーザーの年齢・性別など、細かな属性を調べられるものもあります。競合サイトがどのようなターゲットに対して需要があるのかを把握できれば、自社のオウンドメディアのデザインやコンテンツ内容にも役立ち、軸をぶらさないでサイト運営ができるようになるでしょう。
そして競合調査がしっかりできると、自社サイトのポジショニングをどう取っていけばいいかが次第に明確になってきます。競合サイトと同じポジショニングでは、自社がサイト運営をするうえで、ユーザーに選ばれる要因が少なくなってしまうでしょう。競合サイトにはない魅力・コンテンツを発信できるよう、競合調査で競合サイトのポジショニングを明確にし、自社サイトの戦略を決めていくことが大切です。
Webサイトの競合調査でチェックすべき情報
続いて、Webサイトの競合調査をするうえで、よく確認される指標やチェック事項について紹介します。
アクセス数・ユニークユーザー数
アクセス数やユニークユーザー数は、サイトがどれだけ見られているか、どれだけの人にアクセスされているかの指標になるので、比較しやすい情報と言えます。
訪問者数を示す指標にはいくつか種類があるので、混同しないようにどの指標でみるのかを押さえておきましょう。
アクセスに関する諸指標 | |
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PV(ページビュー)数 |
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セッション数 |
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UU(ユニークユーザー)数 |
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AU(アクティブユーザー)数 |
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ちなみに「アクセス数」は、上記のような流入数を指す指標の総称として使用される言葉なので、チーム間で定義を合わせておく必要があります。
流入キーワード
そのサイトが、どんなキーワードでアクセスに集客をしているかを確認する指標です。流入に貢献しているキーワードを特定することで、自社でもそのキーワードを狙えば、一定の流入数を見込むことができます。
一方でSEOの世界では、サービス上では競合ではないものの、狙っているキーワードでは競合になってくることが多々あります。例えば「CTAとは」というキーワードであれば、広告代理店も取りたいキーワードですし、Webマーケティングを支援する会社やSEO会社も狙いたいキーワードです。自社のサービス上の競合だけ調査していると、このような落とし穴にはまり、中々上位表示しにくいキーワードを狙ってしまう場合があるので、可能であればSEOのプロに調査してもらうと効率的です。
流入経路
自社サイトと比較し、どのような経路で流入しているかを確認しましょう。具体的には、自然検索なのか、SNSリンクなのか、広告なのか、他サイトからのリンクなのか…といった部分を確認し、自社サイトとの乖離を特定します。
例えば、競合サイトが自社と比較しSNSからの集客が多いのであれば、SEO対策と並行して、SNSマーケティングにも注力すべきと言えるでしょう。
滞在時間・直帰率
滞在時間・直帰率は、ユーザーがメディアやコンテンツに対してどのくらい満足しているかを図る一つの指標となります。滞在時間が長ければ、充実したコンテンツであることが分かるほか、内部リンクもしっかりと配置されていると想像できるので、一つの参考としてみるとよいでしょう。
また、直帰率が高いサイトは、ユーザーのニーズを満たせていないとして、SEO評価も下がる恐れがあります。競合サイトと比較し直帰率や離脱率が高いのであれば、改善すべきと言えるでしょう。
被リンク数
被リンク数の多さや被リンクの質の高さは、ドメインにポジティブな影響を与え、上位表示しやすくなります。競合サイトの被リンク数を確認し、あまりに被リンク数の差があるようであれば、被リンク獲得のための施策が必要と言えるでしょう。
Webサイトの競合調査方法・実施の流れ
続いて、実際にWebサイトの競合調査を実施する方法について紹介します。流れを押さえて、1つずつ順番に進めていきましょう。
Webサイトの競合調査を行う目的を整理する
まずは、なぜWebサイトの競合調査を行うのか、その目的を明確にしておきましょう。ただ闇雲に競合調査をしたり、調査サイトを絞らずに調査を行ったりしてしまうと、結果的に工数やコストが無駄にかかります。
競合調査をするにあたり、どの指標を見るのか、どのような改善点を洗い出したいのかを整理しておくことが大切です。
競合サイトを選定する
続いて、調査する競合サイトをピックアップします。まずは商品やサービスが似ている競合から選び、その後は顧客層や狙っているキーワードで上位にいるサイトなども含めていくとよいでしょう。
提供するサービスが自社と違っていても、解決する悩みやユーザーに提供する価値が近い場合は、十分競合になり得えます。対策キーワードがある程度被っている場合は、SEO上の競合と認定しておいたほうがよいでしょう。
調査内容を決める
競合サイトを選定したら、その中でもどの指標に着目するかを決めましょう。先ほど紹介した指標に加え、下記の項目もまとめておくと役立つことが多いです。
- サイトマップ(サイトの構造)
- SEOの内部対策の状況
- ファーストビューの内容
- CVポイントまでの導線、CTAの配置ポイント
- サイトやサービスの訴求ポイント、強み
- その他、一ユーザーとしてそのサイトを見たときの所感
各競合サイト×比較項目を縦軸横軸とした表などを作成し、1つのデータにまとめると報告資料としても使用しやすくなります。
一方で、SEOの内部対策の状況などは、調査する項目が膨大になるので、SEOのプロに競合比較をしてもらうのも有効な手段です。
調査結果を自社サイトと比較する
調査結果を確認し、自社のボトルネック部分を明確にしましょう。
特にSEOの観点から競合調査をしている場合は、内部対策の状況・被リンク(外部対策)の状況・コンテンツ施策の状況を明らかにしておくことが大切です。
また、競合と差を付けるためには、自社のポジショニングを視覚化するために、ポジショニングマップを作成するのもおすすめです。自社における競合にはない強みがどの部分なのかを把握することで、ターゲットユーザーに刺さるようなサイト作り・コンテンツ作りがしやすくなります。
Webサイトの競合調査にも使用できるフレームワーク
Webサイトのポジショニングを明確にするためには、競合調査にも使用できるフレームワークを使って分析するのもおすすめです。特に、競合調査レポートの作成や報告書などを作成する際にも役立つので、ぜひチェックしておきましょう。
ファイブフォース分析
ファイブフォース分析の対象指標 |
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ファイブフォース分析は、外部環境を分析するフレームワークです。自社の強みと弱みを明確にする際に活用され、業界や競合サイトを取り巻く構造を把握するために使用できる考え方となります。
SWOT分析
SWOT分析の対象指標 |
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SWOT分析は、自社の内的要因と外的要因、競合他社の内的要因と外的要因の4つのマトリクスで分けて分析できるフレームワークです。競合と自社の違いを明確にすることができ、サイトの戦略や施策の現状分析を行うための分析手法として活用できます。
4C分析
4C分析の対象指標 |
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4C分析は、そのサイトやコンテンツがユーザーに対して、どのような価値を与えているのかを分析するために役立つフレームワークです。4C分析を行うことで、サイトが選ばれる理由やサイトの魅力を整理し、訴求ポイントを客観的に分析できます。
4P分析
4P分析の対象指標 |
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4P分析は、マーケティング関連の施策を考案する際に用いられる分析法で、サイトの競合調査にも活用できます。Placeはサイトの流入経路、Promotionは広告の出稿状況・SNSの露出状況など、適宜改変してみるとよいでしょう。
Webサイトの競合調査に活用できるツール
最後に、Webサイトの競合調査に活用できるツールをご紹介します。SEOを本格的に行ううえでツールの活用は欠かせないので、機能や値段を比較し、導入を検討してみてください。
Ahrefs
Ahrefs(エイチレフス)は、全世界で利用されているSEO分析ツールであり、AhrefsのクローラーはGoogleに次いでアクティビティが2位なことも有名です。
Ahrefsの代表的な機能 | |
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サイトエクスプローラー | 対象サイトの自然検索数や検索順位など調査する機能 |
コンテンツエクスプローラー | SNSメディアでバズている投稿、反応が多い投稿を調査する機能 |
キーワードエクスプローラー | 特定のキーワードの検索ボリュームや上位表示の難易度や、関連キーワードなどを調査できる機能 |
Ahrefsは、他のSEOツールと比較し、予測精度が高いことが人気の理由です。ただし、独自のアルゴリズムを使用しているので、あくまで予測値であることには注意しましょう。
Keywordmap
Keywordmap(キーワードマップ)は、競合サイトの分析をはじめ、SEOキーワードの発見やコンテンツ制作、広告最適化、検索順位計測など、SEOのコンサル会社も多く利用しているツールです。
Keywordmapの代表的な機能 |
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競合他社サイトの「成果の要因」を可視化し定量的に分析できるので、競合他社に追いつき追い越すための対策を、データに基づいて策定できます。Ahrefsは、海外のツールなので人によってはやや分かりにくい部分があるかもしれませんが、Keywordmapは日本のツールなのでSEO初心者の方にも直感的に使用することが可能です。
Similarweb
Similarweb(シミラーウェブ)は、URLを入力しEnterを押すだけで、そのサイトのアクセス状況が把握できる、イスラエル製のツールです。
Similarwebで把握できる主な指標 |
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例えば「Similar Sites」では、Similarwebが競合と認識したサイトを一覧で表示してくれます。他にも「Audience Interests」では、ユーザーの属性(上位のカテゴリーや、その他に訪問したWebサイト、上位のトピック)が分かるので、属性に応じた興味・関心を拾えるようなコンテンツ作りに役立ちます。
まとめ
Webサイトの競合調査方法は多岐にわたるものの、ファイブフォース分析やSWOT分析などのフレームワークを使用して整理したうえで、各種ツールを使うことが一般的です。まずは、競合サイトがどれくらいのアクセス数を稼いでいるか、そしてその流入経路(例:自然検索やリスティング広告、SNS経由…)について特定しましょう。
そのうえで、自然検索で多くの流入を獲得している場合は、競合サイトの獲得キーワード調査を行い、そのキーワードを優先して対策していくことをおすすめします。また、競合サイトがまだ獲得できていないキーワードは、上位表示の難易度も低い可能性があるので、競合サイト調査の中で、併せてチェックしてみることをおすすめします。
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